先日、ブルガリアで開催された新体操世界選手権で、イスラエル人のリノイ・アシュラム選手が大活躍し、個人総合で銀メダル(リボン:銅、フープ:銀)を獲得。
昨年は銅メダルだったのでステップアップ、イスラエル初の快挙、と沸いています。
左がアシュラム選手
(Ynetより画像引用)何を特筆することがあるかといえば、彼女は生粋のイスラエル人で旧ソ連からの移民やその子供ではないこと、そして、19歳の彼女の所属が【イスラエル軍】ということです。
高校を卒業してから男女ともに兵役義務があるイスラエル、しかし、スポーツ選手・音楽家・芸能人らは兵役に就くことで、キャリアの継続が難しくなることが多々あります。
ここで兵役逃れのために海外に流れてしまったりしたら本末転倒ですし、本人もそれを望みません。日本では兵役に関して非常にネガティブなイメージがありますが、イスラエルでは健全な若者ならばむしろ積極的に参加するべきもので、それこそ最近ではアラブ系イスラエル人の従軍数も増加傾向にあるのです。
そのためイスラエル軍には【強化選手・芸術家枠】があり、文化スポーツ省と国防省にそのタレント性を認められた若い選手や芸術家は、個人の練習や試合・発表会を優先にする条件で兵役に就くか、場合によっては兵役を先送りすることが認められています。
また、軍の訓練や任務は個人の活動の妨げにならないように極限に絞られ、集団の寄宿舎生活に加わらないでもよい…などの配慮もあります。
アシュラム選手は、軍のコンピューター関連の部署に所属しており、ブルガリアから帰国した翌日、早速、自分が所属するベースに出向いたそうです。
そして今日、彼女の活躍が認められ、伍長に昇級。
(Ynetより画像引用)新聞のフォーラムでは、「一体彼女が何のコンピュータの業務をしているんだ?」などというイヤミな書き込みもありましたが、「リボンを回しながらジャンプして200度開脚してから文句を言え!」という書き込みに潰されておりました。
そもそも、国への貢献度でいったら、ちょっとやそっとのものではないのだし。
別にコンピュータ業務で活躍しなくても、真面目にやっていれば、兵役で伍長くらいは誰でも簡単に昇進します。
なお、イスラエルの兵役は本人の希望がかなり通るので、彼女自身がコンピュータ分野に興味があり、その勉強を軍でやっているのでしょう。
(Israel HaYomより画像引用)イスラエル 日本人 キブツ